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May 30, 21

大切なつながりを思い出すニュートラルな1泊2日。ume,yamazoeと花ノ家族婚でつくる、唯一無二の体験とは。

2020年を機に、世の中は大きく変化しました。当たり前だと思っていたものが、当たり前ではなくなり、そのありがたさを再認識することが多かったように思います。人によっては生活のあり方や、身近な人との関係性について、改めて考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

ume,yamazoe(以下、ume,)は、「ちょっと不自由なホテル」をコンセプトにした、奈良県山添村にある宿です。

古民家を改築して作ったその場所は、訪れるのにも、過ごすのにも、ちょっとした不便さがあります。

花ノ家族婚の伊藤さんと飯田さんは、その不便さが、当たり前のありがたさを思い出させてくれる宿泊体験に感動し、ume,と共に1泊2日の家族婚を作ることを決めました。

ume,とはどのような宿か。これからume,と花ノ家族婚で生み出す、唯一無二の家族婚とは。ume,オーナーの梅守さん、伊藤さん、飯田さんにお話を聞きました。  

 

ume,は孵化場


 

ume,yamazoe・梅守さん

——はじめに、梅守さんがume,の運営で

大切にされていることを教えてください。

 

ume,・梅守さん:ume,はお客さんに感じてもらいたいことを明確に決めていません。なるべく純粋な感覚を取り戻し、ニュートラルな状態でいれる空間を用意することで、それぞれの価値を見出して、持ち帰っていただける宿を目指しています。みなさんが純粋な状態に生まれ変わっていく、孵化場のイメージですね。

サービスをしているこちら側も、力まずにニュートラルな状態でいることが大切だと思っていて。接客も、一辺倒なものではなく、パーソナルな雰囲気が出るものを目指しています。

ですから、料理を出す時も、サウナ施設の説明をする時も、自分が何を感じてて、どうおすすめなのかを体験談と混ぜながら、話したりもしています。そういう関わり方をしていると、いつの間にかお客さんとの距離も、お客さん同士の距離も近くなっていって、チェックアウトの時には、不思議な一体感が生まれることが、よくあるんですよ。

 

花ノ・伊藤さん:確かに。初めて訪れた時は、お子さん連れのご家族が一緒だったんですが、「お子さんのサウナデビューはまだですか?」とか、自然と話しかけちゃいました。いい意味で、初めて会った方にも興味を持って関わりたくなる空間といいますか。

花ノ・飯田さん:朝、出発する時には「おつかれっす!」みたいな挨拶をして、出て行くくらいのテンションでしたもんね(笑)。

ume,・梅守さん:年齢がどうだとか、肩書きがどうだとか関係なく、それぞれがニュートラルな状態で過ごしているからこそ、そういう空気感になるんだと思います。

 

——梅守さんがニュートラルであることを

大切にされているのはなぜでしょうか?

 

ume,・梅守さん:梅守の姓の家は少なく、大切に継いできました。私は8代目にあたります。昔から、先祖の頑張りのおかげで今の生活があると、教えてもらいながら過ごしていました。自分が個人として生きているのではなく、過去から未来につながる流れの中に生かされていると感じていて。

その流れに身を任せて生きる感覚がまさに、ニュートラルな状態と近いのかなと思います。自分が何者かになることを求めず、ただ淡々と命の役割を全うしているので、迷いがない。そういう自然な在り方が、ume,にも現れているのかもしれません。

 

お互いの価値を重ね合わせて、唯一無二の体験を


 

花ノ家族婚・飯田さん

——つながりを感じることが、ニュートラルな状態にさせるんですね。ありがとうございます。続いて、花ノ家族婚はいかがですか?

 

花ノ・飯田さん:花ノ家族婚は、これまでの結婚式をより良くする為にどうしたら良いかを考えて作りました。そこで、新郎新婦おふたりの話だけではなく、ご家族や両家のキーマンとなる方の話も聞かせていただくことに。おふたりの歩んできた道のりと、おふたりを育ててきたご家族の道のりを共有しあうことで、「あぁ、この家族で生まれてよかった」と感じられる結婚式をしたいと思っています。

花ノ・伊藤さん:ゆっくりと時間を過ごしてもらうために、1泊2日の結婚式をしたいと考える中で、宿泊先の施設が持っているコンセプトや、運営する人たちの存在の大きさを感じるようになりました。それならばいっそ、花ノ家族婚で決めたプログラムを導入するのではなく、宿の方々とゼロから一緒に作って行きたいと思うようになって。

ume,・梅守さん:結婚式を通じて感じてもらいたいことを中心にして、そのニュアンスや表現の仕方が、会場や一緒にやる人によって変わっていくんですね。

 

——なぜ、ume,と花ノ家族婚でコラボレーションしようと思ったのですか?

 

花ノ・飯田さん:先ほど「ニュートラル」と表現していた価値観は、花ノ家族婚が表現したいものとリンクしているんです。当たり前のようにそばにいた家族のありがたみに気づいたり、周りの人のおかげで今の自分がいることを感じられたりすることを大切にしたいと思っていました。実際にume,に宿泊してみると、想像していた通りの体験が待っていて。ume,と、花ノ家族婚の価値が合わされば、単体でやる以上の結婚式を作れると確信しました。

ume,・梅守さん:私も花ノ家族婚の考え方に共感しています。根本的な思いとして、幸せな家族を日本中に作りたいという願いがあるんです。社会の最小単位である家族が幸せであることが、日本を幸せにすると思っていて。その思いは、約13年前、突然姉が重度精神障がい者になり、その2年後に妹が白血病患者になった経験から生まれました。昨日まで普通に過ごしていた日々が、突然崩れていくのを目の当たりにして、家族はいつまでも当たり前に続くわけではないことを強く感じたんです。もっと大切に関わっていればよかったとの後悔もあって、その頃から身近な人を大切できる自分でいようと決めました。

一番身近な家族が幸せであること、そこで穏やかに生きれる人が増えることは、私がずっとやりたいことだったので、花ノ家族婚とのコラボは自然な流れだったように思います。

 

自分、家族、自然、命。つながりを思い出す時間


 

花ノ家族婚・伊藤さん

——ありがとうございます。それぞれの思いを掛け合わせて作る家族婚はどんなものになりそうでしょうか?

 

花ノ・伊藤さん:実際にいいちゃん(飯田)と宿泊する中で感じた魅力をもとに、いくつかの体験を考えています。中には考え中のものもありますが、アイディアだと思って聞いてください。

 

朝焼けに包まれた挙式セレモニー


 

 花ノ・伊藤さん:まず真っ先に思いついたのが、朝焼けの中で行う挙式セレモニーです。ume,で過ごした時間の中で特に印象的だったのは、朝日がのぼる瞬間でした。日の光によって身体が徐々にあたたまり、空気の匂いがはっきりしていく。外では、視界が開けて、美しい山々の緑が見えてきます。心なしか、風が竹を揺らす音と小鳥のさえずりも、いつもより大きく聞こえてくる。何か新しい始まりを全身で感じさせる世界の中で、おふたりが未来への誓いをするとしたら、きっと最高の時間になるだろうと感じました。

ume,・梅守さん:身体が目覚めはじめる時って、いろんな情報がクリアに感じられるんです。そんな状態で、朝日をバックに誓い合うふたりと、それを幸せそうに見つめる家族のシーンを見てしまったら、頭に「バシン!」と入り込んで、その先の人生における幸せの感覚すらも変えてしまう体験になりそうですね。

花ノ・飯田さん:もはや誓いの言葉も要らないかもしれません。ふと、話し出す会話が自然と約束に変わっていったり、目配せをするだけで家族を感じれたり。そんな空間ができたらと思います。

 

改めて繋がりを感じるサウ


 

——おふたりやご家族にとって、忘れられない景色になりそうですね。飯田さんが考えている過ごし方はありますか?

 

花ノ・飯田さん:僕が良いなと思っているのは、サウナで過ごす時間です。ume,のサウナは、フィンランド式で、心地の良い温度なので30分は余裕で入れます。薄暗い空間で、薪が燃えている様子を眺めながら、パチパチという音に耳をすますと、瞑想に近いリラックスモードになるんです。

そこで何もない時間を過ごすのも良いだろうし、梅ちゃん(梅守)が薪をくべる役割をしながら、お互いへの気持ちを聞いたり、過去の話を聞いたりすることで、普段の結婚式ではでない会話をする時間が過ごせると思います。新郎新婦のふたりで入ったり、男女を分けて、両家の父と新郎、両家の母と新婦で入ったり、いろいろな入り方ができそうですね。

ume,・梅守さん:私、良い感じで雰囲気を作る自信ありますよ(笑)。そういうサウナの使い方って、ume,でやりたいことに繋がっているですね。もともと、フィンランドでサウナは、新しい自分に生まれ変わる神聖な場所だと扱われてるんですが、ume,のサウナもそういう場所にしたいと思っていました。

山添村の土で育った木を切ってきて、丸太を割ってできた薪を燃やし、その熱で身体が暖まっていく。そういう一連の中に、自分がいて、一緒に家族がいることを感じられた時に、改めて自分の生まれに思いを馳せたり、新しい家族とのことについて考えることができるんじゃないかと。きっとサウナから出てきたら、さらに距離感が縮まっていると思います。

 

命の流れを表現した料理


 

——自分を捉えなおして、大切な人と繋がりなおす。まさに生まれ変わりと言えますね。梅守さんのアイディアも教えてください。

 

ume,・梅守さん:過ごす時間もそうですが、料理もこだわりたいと思って母と一緒に考えています。

花ノ・伊藤さん:宿泊した際にume, で食べた料理には驚きました。使っている食材一つひとつに、いつどこの畑でとれたとか、誰々さんがくれたとか、ストーリーがあるんです。梅ちゃんがそれを、押しつけ感を感じない心地いいリズムで話してくれます。聞いていると近所の人たちが食卓の周りにいる感覚がしてきて。色んな人の愛情が込められているのを感じると、食べる前から「うまい!」ってうなってしまいました(笑)。

もちろん味も素材の味が生かされてて美味しかったです。それ以上に、込められたストーリーが、身体のエネルギーに変わっていくことを感じられて感動しました。食べ終えた時に、自然と感謝の気持ちが湧き出てくる素晴らしい食事でした。

ume,・梅守さん:食材を持ってきてくれる、おじいちゃん・おばあちゃんたちも、お客さんと話すことを楽しみにしてくれてるんですよ。普通にスーパーで食材を買うことに慣れてしまうと、誰かが見えないところでやってくれていることを忘れがちになるけれど、ここでの食事は、そういう流れを感じられるものでありたいんです。

これを、家族婚の中で表現するなら…。例えば、コの字型テーブルの一辺ずつを過去・現在・未来と見立てて、それぞれ別の料理を出そうかな。一つのエリアの中で料理が変化していったり、次のエリアと繋がっていたり。命の流れや、家族と過ごしてきた時の流れを表現したいと、絶賛考え中です。

 

一緒に見る流れ星


 

——まさに、ume,と花ノ家族婚の価値観が合わさったものになりそう。他にも、おすすめの過ごし方はありますか?

 

花ノ・伊藤さん:最後にもう一つだけ。夜になったら流れ星を見て欲しいと思っています。山添村は標高が高く空気が澄んでいて、夜になると真っ暗になるので、たくさんの流れ星が見えます。

サウナ室の上にある寝椅子で、寝そべるといい角度で星空が見えるんです。ぼんやり夜空を見ていて、突然流れ星が現れると、「わぁ!流れた!」と盛り上がりますよね。同じものを見て、同じタイミングで感動することが、一体感を生み出すと思います。

ume,梅守さん:余談ですけど、サウナの上空には木が茂っていて、同じ方角の空しか見ええません。ですから、誰も見逃すことなく、みんなで同じ流れ星を見ることができるように自然とデザインされているんです。

 

——1泊2日、一連の流れが見えてきましたね。

 

ume,梅守さん:もう絶対にいいものになると確信しました。おふたりと家族にとって、忘れられない時間になると思います。さらに、ちょっと大げさに聞こえるかもしれないけど、自分自身の感覚や、身近な人とのつながり、命の流れなど。経済合理性を求める生活の中で中で、切れてしまいそうになっているものを、もう一度、繋ぎなおす時間になるんじゃないかと思いました。

 

何度でも訪れたくなるサードプレイス


 

——最後に、家族婚の利用や、ume,の宿泊を検討されている方に、伝えたいメッセージはありますか?

 

ume,梅守さん:ume,で過ごした時間が、純粋な感覚を取り戻す原体験になってくれたら 嬉しいです。最近心が落ち着かないと感じたり、大切な日を純粋な気持ちで過ごしたいと思ったりしたら、いつでも戻って来てください。究極、泊まらずに遊びに来るだけでも大丈夫。おばあちゃんや友達の家みたいに、いつでも温かく迎えられる場所であり続けます。

花ノ・飯田さん:花ノ家族婚では、おふたりの関係性が変わらない未来を誓うのではなく、一緒に生きる中で変わり続けていくことを誓って欲しいと思っています。変わり続ける関係性の中で、変わらずに残り続ける記憶をお届けしたいんです。おふたりにとって、ume,が大切な感覚を思い出すサードプレイスになってくれたらと思います。

花ノ・伊藤さん:コラボレーションしている会場は、それぞれ唯一無二の魅力をお持ちです。ume,で家族婚をされた方が他の宿に訪れてみたり、旅行で訪れた宿が素敵だったから、そこで結婚式をしようと考えたりする方が出てきたら嬉しいですね。人と場所が大切な価値観をもとに出会うための、繋ぎ役を担えるようになっていきたいですね。

 

[執筆・編集] 佐藤史紹