URASHIMA VILLAGE
浦島太郎伝説が語り継がれる香川県三豊市、荘内半島。
浦島太郎が亀を助けた場所と言われる無人島・丸山島を望む地に、
「URASHIMA VILLAGE」という宿があります。
竜宮城にわたり浦島太郎が過ごした時間。
それは日常の時間では計り知れない悠久の流れ。
時間を削る日常から、時間にゆだねる日常へ
昔々読んだ絵本の舞台は、一体どんな場所なのか。お伽話のような体験が待っていたりして。
期待に胸を膨らませながら瀬戸内をドライブし、路沿いに見えてきた焼き杉の、真っ黒な建物に車を寄せます。
ドアを開けると、そこは外観からは想像がつかないほど、広く空と海が開けていました。
崖に沿うように棟が建っているので、他の家屋は見当たらない。目の前にあるこんもりした島が、丸山島。
濃い緑と青のコントラストが眩しい。一瞬で非日常空間に飛び込みました。
「URASHIMA VILLAGE」の中は4つの棟に分かれています。まず向かったLounge&Reception棟は、一面の窓の外が木々に囲まれた、開放的な空間。15時から18時は、ビール、シャンパンなどドリンクをオーダーすることもでき、夜はテーブルを並べてダイニングとして使うこともできます。
一息ついてお部屋に向かいます。今回泊まった幻棟は、URASHIMA VILLAGEの一番高い場所にある2階建ての棟。入ってすぐの階段を駆け上がり、リビングへ。
そこには息を呑むような絶景が広がっていました。青く輝く海と、無人島と、それをつなぐ白いエンジェルロード。夏のエネルギーを一身に浴びる。都会のうだるような夏と、ここにある夏は別物。大人も思い切りはしゃいでしまう、宝物のような夏休みが返ってきたみたいに、それはもうきらきらしていました。
そんな風景を贅沢に、のんびりと眺められるように、リビングには大きなソファ。海の方を向いて料理ができるアイランドキッチン。
ダイニングテーブルやチェアは県材を使用した、大工さんのオリジナル家具で揃えられている。テーブルの形が少し変わってるなと思ったら、URASHIMA VILLAGEマネージャーの辻さんが「この机のカーブは、エンジェルロードに続くような形になってるんですよ。」と教えてくれました。お部屋の作りからも、「この土地のこの景色、ここでの時間を存分に楽しんで欲しい」という思いが、ひしひし伝わってきます。
海ですか?もちろん泳ぎに行きました。ホテルの敷地を少し下り木々のトンネルを抜けると、すぐに砂浜に到達します。
波は穏やかに、波打ち際に座る私の身体をゆすります。
海は透明、小さな魚が目の前を横切るのが見えるほど。
水平線に浮かぶ遠くの島々。
時折「ばしゃん!」と音を立てて、魚が跳ねます。あれはどういう合図なんだろう。島の茂みからは蝉の大合唱が続く。わたしは海の中で、砂を握っては、離して、水中をさらさら流れていくのをよく見てみたり……
自然に抱かれ、委ねるひととき。
豊かな余白を味わうひととき。
潮が引いて、向かいの無人島に架かる砂の道もすっかり現れました。
気づけば太陽はオレンジ色になっていて、砂浜を照らしています。
太陽がぐんぐん落ちてゆき、空も水面も、わたしの身体もぜんぶ茜色に染めて、最後は粒のようになって沈んでいきました。
潮の満ち引き、太陽の動き、海や空の表情の変化……。
地球のリズムを肌で感じ、その雄大さに改めて気が付きました。
何百年何千年の時を経た、壮大な自然に触れた時、
わたしは悠久の時を旅するこの贅沢を、静かに噛み締めていました。
(…なんて言っても、この時の美しい光景は表現しきれていない気がします。これか、絵にも描けない美しさっていうのは……)
自然にパワーをもらって、大満足。みんなのいるお部屋に戻ります。楽しいディナーも待っている!今回は友人がケータリングをしてくれて、地元の食材を使ったおいしいご馳走が並んでいました。
食事はみんなでわいわい作るもよし。料理する工程を楽しめるのも、こういった一棟貸しお宿の良いところだな、と思います。みんなで一緒に手を動かす体験は、案外思い出として深く心に残ります。
滞在の自由度が高いということは、自分たち好みにいくらでもアレンジができるということ。
例えば私たちは、夜の砂浜で線香花火の燃焼時間を競ったりしました。夏らしい夏。でもその後ビーチチェアに各々腰かけて、涼しい夜風に当たりながら、たわいない話をして過ごしたのが、意外ととっても良かったなあと思ったり。
何をするかよりも誰とするか。大切な人たちと過ごす時間は、きっとそれだけでかけがえのない豊かなもの。でもそんな時間を、より濃厚にしてくれる空間やロケーションがあると、思い出は一段と特別に、忘れがたいものになります。
悠久の自然に閉じ込めたいほどの、いつまでも色褪せない思い出のひとときを過ごすのに、URASHIMA VILLAGEは最高の場所です。
[執筆・撮影] ホテルみるぞー
プロフィール : ホテルみるぞー
【全てのホテルラバーへ。素晴らしいホテルで、特別なひと時を過ごせますように】との思いを胸に、ホテル業に勤める身としてサービスマンの目線も織り交ぜながら、実際にお邪魔したホテル・旅館での体験をSNSなどで愛を持ってレポートしている。
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